イルミネーションの季節はいつかと尋ねられれば、ほとんどの方が冬だと答えることでしょう。まさしくその通りで、イルミネーションは特に冬に流行ります。その理由は何でしょうか。
イルミネーションが冬に流行る最大の理由といえば、クリスマスがあるからでしょう。しかし、他にもいろいろな理由があります。冬は空気が澄んでいるためイルミネーションがきれいに見えることや、木々の葉っぱが落ちてしまうため、木への飾り付けがしやすいことなどです。また、何かと物騒な年末年始に、防犯効果を期待してイルミネーションを取り付ける方もいらっしゃいます。
ここでは、イルミネーションが冬に流行る理由について、より詳しくご紹介していきましょう。
冬に空気が澄んでいてイルミネーションがきれいに見える理由とは?
冬にイルミネーションがきれいに見える理由は、空気が澄んでいるからです。空気が澄んでいるかどうかは、空気中の水蒸気と塵の量によって決まります。霧が出ている状態のように空気中に水蒸気が多いと、視界が妨げられ、大気がかすんで見えます。これは水蒸気が空気中の塵や埃と結びつくことで水滴になると光を反射してしまうことから起こります。
冬の空気は、寒気団の一種であるシベリア気団の影響で日本海側に雨や雪が降り、その空気が山を越えると水蒸気が少なくなることで乾燥しています。また、その日本海側の雨や雪によって空気中の塵や埃が洗い流されており、日中の温度差が少ないことで上昇気流が生まれにくく、新たに塵などが舞うことがありません。
これらの理由により、冬は夏に比べて空気が澄んでいるのです。
冬にイルミネーションがあると防犯効果があるって本当?
イルミネーションで暗い夜道を明るく照らすことは、安心感が得られると同時に、防犯効果も得られるといわれています。それはなぜなのか、詳しくみていきましょう。
高い位置にライトがあると人の顔が判別しやすくなりますし、玄関などにきれいなイルミネーションがあると人目が集まり、人目があるところでは犯罪者も犯行をしづらくなります。
ライトの光の色によっても犯罪防止効果が期待できるとされています。特に青色は心を静める効果があり、防犯灯の色を青に変えたことによって防犯効果が上がったという研究報告もあります。
実際に大阪府豊中市の中学校では通学路に16歳未満を狙う不審者が増加していることから、PTAとの協力で防犯イルミネーションプロジェクトを実施しています。イルミネーションを見るために周辺住民が訪れるようになることで、不審者がうろつく環境になることを回避できるとの考えから行われています。
葉っぱがない木のほうがイルミネーションを飾りやすいから冬はイルミネーションの季節って本当なの?
イルミネーションが冬に適している理由の一つに、飾り付ける木の状態が関係しています。
イルミネーションといえば電球を木に巻き付けて装飾しますが、この電球は熱を発するため、木にダメージを与えます。白熱球が使われていた頃にはその熱量で木を弱らせてしまうことから、特に夏場の使用はためらわれていました。現在一般的に使われているLED電球は発熱も微量で電気代もそれほどかからないことから、白熱球が主流だった頃と比べるとかなり負担は減っていますが、それでも微量の熱を発しているため木にとってはダメージになり得るのです。木本体へのダメージを最小限に減らすために、寒い時期だけ木にイルミネーションを飾るという場合が多いです。
また、冬になり落葉することで葉が邪魔にならず装飾もしやすくなります。葉が落ちることで、電球を巻き付ける際に若葉を傷つける心配もありません。
このような理由から、木へのイルミネーションは主に冬に実施されています。
イルミネーションの心理的効果とは?
イルミネーションの心理的効果の一つに「吊り橋効果」があります。非日常的な暗闇の中、非日常的な美しいイルミネーションを眺めていると、心拍数は上がります。このドキドキ感を恋愛感情と錯覚し、近くに居る人と恋に落ちやすくなるというものです。
また、心理学者ガーゲンの実験では、暗闇の中では開放的な気分になり、周囲の人と心を開きやすくなる事が実証されています。
もう一つの大きな効果として、「同調効果」があります。これは複数人で出かけると、誰かが「美しい」と言ったときに他の同行者にもその感動が波及することと、周囲の大勢が「きれい」「楽しい」と言っている中にいるとつられて自分たちもそう感じ取る事を指します。周囲の恋人達の影響を受け、自分の隣のその人を恋人と錯覚してしまう事もあります。夜の闇は人の心を解放的にする効果があるため、それが顕著になるのです。
イルミネーションが冬に流行る理由まとめ
イルミネーションはなぜ冬に流行るのでしょうか。それにはいろいろな理由があります。
まず、イルミネーションの光は一年の中で冬が最も美しく見える季節だという理由があります。冬場は空気が澄んでいるので、イルミネーションが一段ときれいに見えます。また、イルミネーションを取り付ける木々が、冬場には葉を落としており電球を取り付けやすく、また木への負担も少なくてすみます。
また、イルミネーションには防犯効果もあるといわれています。日没が早くなり、夜道が物騒になる冬の間、夜道にイルミネーションがあると人の顔がわかることや、イルミネーションのおかげで人通りが増えることで、悪事を起こしにくくなります。
このような理由から、イルミネーションは一年の中でも特に冬に流行っているのです。
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