冬は、心身ともに弱りやすい季節です。寒いだけで活動量が減りますし、厚着をすると肩が凝ります。空気が乾燥し、風邪やインフルエンザなどの感染症も流行りやすい季節です。体に不調が出ると、心もなんとなく沈んできてしまいがちです。毎年冬になると元気がなくなる、と落ち込んでいる方はいませんか。実はそれはあなただけではありません。冬には冬季うつ病という病気も発生しやすくなります。
冬季うつ病とはどのような症状なのでしょうか。ここでは、冬季うつ病とは何か、なぜ冬季うつ病になってしまうのか、どのような対策が効果的なのかについて詳しくご紹介していきます。ちょっとした工夫で冬季うつ病を予防して、寒い冬を元気に乗り切りましょう。
冬季うつ病ってなに?対処法とは?
冬季うつ病とは、季節性感情障害に分類されるうつ病の一種で、最も典型的な症状です。秋から冬にかけて症状が現れ、春先に自然に回復します。年齢は成人前後からだんだん発症し、男性に比べて女性の方が2〜4倍ほどかかりやすいといわれています。特に20代の方はかかりやすい傾向があります。また、一度発症すると毎年繰り返し発症しやすくなります。症状によっては通院も必要ですが、基本的には生活習慣の改善によって軽減できます。
では、冬季うつ病を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
毎日、日光浴をしながら体を動かすことで多幸感が増し、脳から抗うつ作用のホルモンが分泌され薬と同様の効果が期待されます。それから、栄養のある食事をし、良質な睡眠を確保するために睡眠時間をきちんと決めて体内時計を良好にします。生活習慣を見直し、生活のリズムを整える事が、冬季うつ病の対処法として重要です。
冬のうつの原因って何?
冬季うつ病とは季節性のうつ病の一つです。秋から冬にかけて症状が現れて、春になると自然に回復するので、自覚せずに回復することも多いです。
冬季うつ表の原因は大きく分けて二つあります。
一つ目は、脳内で分泌される幸せを感じるホルモンであるセロトニンの分泌が不足することです。二つ目は、睡眠に関係するメラトニンの分泌、そのタイミングや量が変化することで体内時計が狂ってしまうことです。
これらは、日照時間が不足してしまうことにより起こります。
現代の生活において、家やオフィスで過ごす時間が多くなり、日光に当たる時間が減少していることが、冬季うつ病につながっています。ちなみに、緯度が高く日照時間が短い国ではかかりやすいといわれています。たとえば、英国では100人に3人はこのうつ病に悩まされているようです。このように、日照時間の不足による体の様々な変化が冬季うつ病を引き起こしています。
冬のうつの症状って何?
冬季うつ病は秋から冬にかけて症状が現れ、春先に自然に回復することが多いので、自覚していないという方も少なくありません。ですが、ひどくなって毎年症状が出てくるようになっては困ります。そこで、冬季うつ病の症状をよく知っておくことが大切です。
一般的なうつ病の症状としては、不安や焦りを感じたり、興味や喜びを感じにくくなったり、睡眠障害や食欲不振といったものがあげられます。これに対し、冬季うつ病が一般的なうつ病と異なるのは、過食・眠気といった症状が現れやすいという点です。他にも、甘いものが欲しくなる、無気力になる、集中力が低下する、活動量が減る、などの症状があります。
冬のうつを予防する栄養素と食べ物とは?
冬季うつは食事の中で特に一部の栄養素が不足することが大きな要因となります。不足しがちなトリプトファンなどのアミノ酸、ビタミンB群やビタミンDや葉酸などのビタミン類、鉄分などのミネラル類を積極的に取ることが大切です。
トリプトファンは、良質なたんぱく質に豊富に含まれています。神経を落ち着かせる働きを持っています。具体的には、カツオ節、凍み豆腐、大豆などに多く含まれます。
ビタミンB6は、トリプトファンの吸収に必要な水溶性のビタミンで、たんぱく質の代謝を助け、興奮を抑える働きを持っています。マグロ(赤身)、レバー、にんにくなどに多く含まれます。
ビタミンB12は、精神の安定や集中力を高める働きのある水溶性のビタミンです。青魚(サンマ、イワシ、サバ)、カツオ節、イカなどに多く含まれます。
葉酸は、体内で赤血球等色々なものの合成に使われるので、必要量の多い栄養素です。 ストレスを減らし、不安解消に役立ちます。緑黄色野菜やレバー、納豆などに多く含まれます。
鉄分は、疲れやすい、イライラする、集中力が低下するなどの症状を緩和する働きを持っています。レバー、小松菜、牛肉などに多く含まれます。
また、ストレスは腸内環境とも関係があり、腸内環境を整えるとストレスが減るといわれています。腸内環境を整えるために必要なものは乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維です。乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルトなどで、食物繊維は野菜などで摂取できます。
食生活を見直すことで、冬季うつ病を予防することが可能です。
鬱っぽいと感じたときに太陽光を浴びることが推奨されている理由とは?
鬱っぽいと感じたときに太陽光を浴びることが推奨されている理由について解説します。鬱っぽい症状とは、つまり、集中力が低下する、睡眠障害が起こる、疲労感や、焦燥感などのことです。このようなときに日光浴をすると、セロトニンやビタミンDの生成が行われます。セロトニンは「幸せホルモン」といわれており、感情のコントロールをしたり精神を安定させたりするといった効果があります。
また、朝にしっかりと日光を浴びることで、体内時計が整うので、冬季うつ病の症状のひとつである日中も眠くてたまらないということが減ります。在宅ワークなどでずっと家の中にいる方も、朝や休憩時間にはベランダなどに出て日光を浴びるようにすると、冬季うつ病対策になります。
冬季うつ病とはどんな病気?予防と対策まとめ
秋から冬になると気分が沈んだり集中力が低下したりという症状に悩んでいる方がいらっしゃれば、それは冬季うつ病かもしれません。冬季うつ病とは、普通のうつ病とは少し異なり季節性のものなので、多くの場合春になればだんだんと改善されていきます。日中も眠くて仕方がないとか、甘いものを食べたくなるなども、冬季うつ病の症状のひとつです。
冬季うつ病はなぜ起こるのかというと、冬場に日照時間が減ることが一番の原因です。冬でも太陽にしっかり当たることで、自律神経や体内時計が整います。また、トリプトファンやアミノ酸、ビタミンB群やビタミンD、葉酸などの栄養成分をしっかり摂取することでも冬季うつ病対策ができます。生活習慣を見直して、冬季うつ病対策をしましょう。
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